10月末といえば・・・

ようやっと、報告書にまともに取り組み始めた。

今朝は起き抜けに大学に行き、以前読んで重要そうなレポートをごっそり持って帰る。本当は昨日から学園祭が始まっていて、そっちに顔を出したい、とも思っていたのだが、どう考えてもこの週末しか報告書に使える時間はない。さすがにそういう瀬戸際で余裕をかましてもいられないので、朝一番に資料だけ取りに行って、あとは今日も家で引きこもり、である。

おかげさまで昨日ブログを書いた後、ようやく報告書でまとめる方向性が見えてきたため、今日は一日コリコリ中間まとめを基にブラッシュアップしているうちに、だいぶ大枠が定まってきた。何となく6割の壁は今日一日かけて越えたようである。あとはみっちり残りの4割を固めたら、来週末あたりには何とか脱稿出来そうだ。これまで読んできた資料を改めて眺めてみて、結構色々読んできたんだなぁ、そのわりに頭の中に残ってないよなぁ、と思う。でも、中間まとめを今より時間的余裕がある時にかなり真面目にやっていたので、その努力のおかげで何とか取り繕うことが出来そうだ。1月の自分に感謝、感謝、である。

明日は、朝5時15分!!発の高速バスに乗って、成田空港に。スウェーデン滞在中にものすごくお世話になった皆さんが日本に来られるので、お出迎えに行くのだ。そういえばスウェーデンに移り住む事になったのが、2003年10月20日。その直前は目の回るほどのドタバタで、当日朝は準備で一睡も出来ず、明け方から集中力も全くなくなりぼーっとしていて、「準備はどうなったの?」と妻に怒られる始末。その後、泥縄的にパッキングし、ギリギリの時間で空港バスに飛び降り、飛行機ではグッタリ。あげくの果てに乗り継ぎ地のシャルルドゴール空港では荷物を落としたのに2人とも気づかず、心優しき通行人に持ってきてもらう始末。しかも、スウェーデンでお世話になった人とは事前にメールでの連絡が取れず、電話でも数分話しただけで、ほんとに迎えに来て貰えるのか、来て貰えたとしてホテルは取れているのか、そもそも半年間の住居はどうするんだ・・・そういったことは全くわからないまま、のイエテボリ入りだった。なので、肉体的にも精神的にもボロボロな状態で、スウェーデンにたどり着いたのだ。そんな消え入りたいほど疲れ果てて辿りついたイエテボリの空港で、一度だけ会ったことのあるAさんが笑顔で迎えに来てくださった時、本当に涙が出るほど嬉しかった。実際、泣いていたような気がする。以来半年、Aさんには本当にお世話になりっぱなしだった。なので、今回は何が何でもAさんのお出迎えに出かけたい、と思ったのだ。

「そういえば」、つながりで言うと、今日、久しぶりに大学院時代の後輩からメールを貰う。彼も今、D論を書きながら、就職活動もしている模様。そういえば、一年前の今頃、と言えば、現大学の一次面接通過のお知らせを頂いた頃だ。ここ数年、この時期に毎年境遇が全く違っている。3年前の今頃、と言えば、D論をまとめるための調査がようやく終わり、泥縄的に調査結果の骨格が形作られ、あと50日あまりで何とかフィニッシュに向けて行けるかも、と一筋の光が見え始めたころだった。あのときは、もう自分の論文で精一杯で、生活は奥さまに全面的に支えてもらっていた。それが、2年前は、先述のようにスウェーデンにいて、10月末にようやく生活の拠点となるアパートが見つかって契約を終えた頃だ。拠点が見つかったことにホッとしながらも、本当に半年で何処まで調査が出来るんだろう、と不安で一杯だった。そして昨年の今頃、グランドデザイン案の分析をしながらも、3回落ちた二次面接の事を考えると、本当に次に通るんだろうか、そもそも就職が出来るんだろうか、と半ば絶望的な気分だった。そして、まだ見ぬ山梨に、色々思いを馳せていた。

そんなことを様々に思い出していたから、今日は溢れるほどの様々な想いが去来しながら、仕事をまとめていた。やっぱり、本業をコツコツボチボチやり続けるのが、一番真っ当なんだなぁ、とささやかな幸せを噛みしめていた。明日、Aさん始め皆さんに再会できることを楽しみにしながら、今こうして山梨で幸せに暮らせていることや、陰に陽に助け続けてくれている奥さまに、心から感謝しながら、ボチボチ眠りにつこう、と思う。来年の今頃は、どんな10月末を迎えているのだろうか・・・。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。