アウトプットの一日

昨日今日とはずっと、なんやかんやと作っていた。

明日が高校での模擬講義、明後日がオープンキャンパスでの模擬講義、なので、両方とも資料作成にまず追われる。ついでに27日の市民講座の〆切も重なっていたので、昨日からとりあえずレジュメを三種類作り上げる。最近すっかり図解にはまっているので、土曜はパワポで図解資料をたっぷり入れてみた。法科大学院の模擬法廷というめっちゃ立派な建物で行われるので、多少はパワポもかっしり作っておかないと、建物に負けてしまっては格好が悪い。その後もずっと引き続き、科研費関連の資料やら履歴書やら作っていた。

で、午後に入っていた予定が当日キャンセルになったので、午後はここぞ、とばかりに、来週のレジュメと格闘する。来週末から週明けにかけて神戸大阪韮崎、で自立支援法案関連の勉強に呼んで頂いたので、そろそろ真面目にレジュメを作らないとまずい時期なのだ。なので、昨日は目をしょぼしょぼさせながら、前回書いた276枚をとにかく眺めきった。利用者負担の減免などで新しいデータも出ていて、色々チェック。ついでに入所施設利用者の数も載っていて、改めてげんなり。知的障害者で10万人、身体障害者で4万人が入所施設にいる。それに精神病院入院患者34万人のうち、少なく見積もっても社会的入院は10~15万人はいるので、足して25~30万人以上の人が、未だに入所施設・精神病院に「社会的入所」しているのだ。一方、北欧諸国では入所施設はゼロ。精神病院だって日本の人口換算で7万人分しかない。民族、文化や考え方が違うといっても、この違いは一体なんなんだ。改めて、ため息が出る。25万人といえば、甲府市の人口20万より多いのだ。これらの人が、なぜ地域移行や退院促進の対象とならないのか? なぜ集団生活を続けなければならないのか? なぜ地域で自分らしい暮らしをする機会が阻まれているのか? では自立支援法における「自立」の「支援」とは一体なんなのか? ・・・本当に、様々な疑問が次から次へと浮かぶ。

そんな疑問やら憤りやらため息をついているうちに、神戸用に作ったパワーポイントが32枚に。これに10~20枚の資料をつけたら、2時間あっても話しきれるか不安な量だ。もっとポイントを絞ればいいのかもしれないが、関西のソーシャルワーカーの皆さんがわざわざ甲府の私を呼んで下さるのだから、手抜きもしたくないし、全力投球でお話をしたい。そんなことを考えていると、どんどん資料が増えて、まずくなってきた。

こうやってレジュメを作っているうちに、あっという間にお外は真っ暗に。もうじき学祭があるからなのか?、外では応援団の人が太鼓ドンドン、声を張り上げ練習されている。明日は高校では二回目となる模擬講義。高校2年生の皆さんに、先述の入所施設の構造的問題についてお話しする、というこゆい80分になりそうだ。でも、前回の高校でも、真っ直ぐな眼差しで、精一杯聞いて頂いた。今回はどんな出会いがあるか? 今から楽しみだ。ここ二日、パソコンを前にして格闘して目がショボショボ。なので、こんばんは美味しい魚で一献傾け、鋭気を養おう。というわけで、そろそろ研究室を退散します。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。