長いようで短いような

30分という時間は中途半端だ。

あるひとまとまりの話をし終えるには短すぎる。だが、小話で済ますには長すぎる。
昨日、ラジオ局のブースでそんな事を考えていた。

大学が提供する「YGUラジオセミナー」の順番が僕に回ってきた。アナウンサーとの対談形式のこの番組、テーマが「自立支援法」そのものずばり、だったので、僕におはちが回ってきたのだ。広報部の方から電話がかかって来たとき、「あ、いいですよ」と気楽に受けたのだが、収録日当日になって、考え込んでしまう。結構たくさん言えそうで、でも本質的な話まで踏み込むと時間が足りない、しかも日曜の朝の、家事をしたり車の中で「ながら」に聞く番組なので、専門用語をまくし立ててはいけない・・・。むむむ、色んな制約があるなぁ、と。でもその一方で、なかなかメディアでは取り上げられない障害者の事を、大学提供の番組とは言え、広く多くの方に知って頂くチャンスはなかなかない。すると、やっぱり気が抜けない。いろんな想いが錯綜する。

収録前にディレクターから送られてきた台本案を見ていると、ますます混乱してくる。一週間前に行った打ち合わせ時は豆鉄砲のように言葉の乱射をしていたのだが、いざ時間枠の限られた公共放送となると、そうは言ってられない。伝えたいことは色々あるが、10言おうとしても3くらいしか伝えられないのが、メディアの特性。でも、考えようによっては大切な3は丁寧に伝えられる長さがある。困った、困った。で、困ったときには「大阪のおかあさま」と「東京の偉大なるおいちゃん」の両者に電話する。どちらも、大切なことだけきちんと言えばいい、という真っ当なご助言を頂く。そうよね。当たり前のことだけれど、それを信頼できる方に再度繰り返してもらうと、妙に納得するものだ。ま、なるようになるさ、といざスタジオへ。

で、収録開始。始まってみれば、まあ色々勝手にしゃべっていた。その昔、ラジオ少年だった頃のことを思い出しながら、船頭役のアナウンサーの方に導かれ、出来る限り関西弁を控えながら(とはいえ丸出しには変わりないが)、ゆっくり、短くしゃべろう、と多少も意識しながらしゃべっているうちに、あっという間の29分。緊張する間もなく終わってしまった。そして、話し終わった後、「こんなんでええのやろうか?」と疑問が頭に浮かぶが、まあ後の祭り。あとはケセラセラ、である。放送当日は運良く!?新潟出張なので、気にしないでおこうっと。

YGUラジオセミナー」
放送日時:2005年11月6日(日) 午前8時30分〜9時00分
放送媒体:YBS山梨放送(ラジオ)【 AM765Mhz 】
出演者:竹端 寛 法学部専任講師
吉岡 秀樹 YBS山梨放送アナウンサー
内 容(予定):「今国会で前回廃案となった障害者自立支援法案が審議されている。成立すると来年四月からの施行となる。おおむね障害者の施設などの利用料の1割が、個人負担となり低所得者が多い障害者には厳しい状況が予想される。この法案の主旨と障害者の現状をさぐる」