モードの切り替え

22日で今年の授業はとりあえず終わった。
まだ来年二回ほどあるけれど、峠をようやく越した、という感じである。

ブログをご覧頂いているチャーミングなMさんから、「お忙しくて返信の余地もないでしょうから・・・」などと暖かい言葉をかけて頂いたが、Mさん、すんません、確かに忙しかったのですが、23日からは久しぶりに遊んでいます。

23日は大学時代からの親友が甲府まで遊びに来たのでおもてなし。彼は私たちがスウェーデンに暮らしていた二年前の冬も、わざわざ高いチケットを買って遊びに来てくれて、妻と三人で北極圏のイエリバーレでオーロラを眺めながら正月を過ごした親友である。あのときは仕事し過ぎで死にそうな顔をしておられたが、今回は顔がましになっていた。プライベートも充実してきた、とのこと。そう、やはり余暇や文化活動が豊かであってこそ、の人間らしさ、なのです。

この「人間らしい」暮らしは、スウェーデンに暮らしている時に、ホントに思い知らされた。なんせ向こうでは、普通のお宅でもソファーやライトなどの室内インテリアにかなりのお金をかけている。僕がご厄介になったEさんのお宅でも、ソファーは本当に豪華な革張りだった。11月から3月にかけて、日照時間が短い冬には、おうちの中でゆったり過ごす時間が長くなる。そのときに、座るものやそこを照らす光にお金をかける、というのは、豊かな時間を作り出す上で、必須のことだ。土日もなく走り回っていたこの3ヶ月のタケバタなんぞは、豊かな時間とは真逆の姿。いかん、いかん。

で、友と出かけたのは、まずは「ほったらかし温泉」。この日は澄んだ青空で雪の富士山を眺めながらの朝風呂は最高だった。その後、もっと富士山を近くで見ようと、河口湖まで出かける。この春妻と出かけた湖畔の大石茶屋でほうとうを食す。なんとお昼前だったのでまだ客が少なく、富士山が真正面に見える縁側の席を陣取る。雄大な富士山を真正面に眺め、私はお茶を、友はビールをちびりちびり。すてきなお昼だ。でその後、精進湖ラインを通って道の駅で野菜を買い込み、続いてはいそべ酒店でワインを買い込み、大学へ。今晩はシチューにしよう、と決めたので、いそべさんのところでキザンワインと勝沼酒造のワインを買う。この両方とも超ヒット。2本はあっという間になくなり、贈答用に買った一本まで開けてしまった・・・。で、大学近くの鳥一で美味しい地鶏を買おうと思って立ち寄ると、皆さん大変忙しそう。何だろう、と思っていると、24日のイブの為に、鳥の丸焼きをせっせと作ってらっしゃったのだ。スウェーデンでもスーパーで売ってたよなぁ、と思うと懐かしく、丸焼きとシチュー用のお肉を両方買い求める。これで準備はバッチリだ。

その後、帰ってシチューを作り始めながら、宴はスタート。奥さまも所用があったのだが、せっかくだから、とそれをキャンセルされてご参加。イエテボリの年末から二年経ち、お互いの境遇の異同をポツポツ語りあっているうちにドップリ夜も更けた。そして、彼は夜10時の夜行バスで帰路につかれた。やはり友はいいもんだ、としみじみ感じたイブイブであった。

さて日付はかわって24日。この日は初スキーである。「年内に一度は行きたい」というパートナーの強い希望もあり、日程的にこの日を逃すと、という状態だったので、少し酒ものこってしんどいけれど、白樺湖方面へ車を走らせる。ここしばらくの寒波で、白樺湖近くから一面の銀世界。スタッドレスタイヤをはいてつくづくよかった、と思いながら、ズンズン進んでいく。目的地の車山高原はパウダースノーの良い雪質だった。ボーゲン隊のひろしくんも大満足の、コースの多さと景色の良さ。次は朝から来ないとね、といいながら、半日みっちり初滑り、である。帰りがけに「河童の湯」にも浸かって疲れもとり、我が家ではイブイブに買った鳥一の丸焼きと、以前買い求めた美味しいシャンパンで、イブの夜に感謝しながら、じっくり飲んだ。ここ最近の忙しさや緊張感など様々なものが解けていくような、気持ちの良い「酔い」に包まれていった・・・。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。