雪にはまる

 

といっても、体重が重たいから埋もれたのでは断じてない!! 昨日今日と雪の上でルンルンと滑っていたのだ。

甲府には雪はないのだけれど、ちょっと足を伸ばして長野県まで出かけると、たんまり雪は残っている。残ってなくても人工雪を降らしている。実はこのところ、報告書やら出張で忙殺されていて、1月の段階から2月はほとんど休めないことが確定していた。なので、たまには奥さまとのんびり滑ろう、とM先生に伺って出かけてみたのが、小海リエックス 。一泊二食に二日分のリフト代がついて14000円、しかも部屋も割とよい、という言葉に惹かれていったのだが、確かに満足の二日間だった。

今回は東京から友人Nが新妻と共に参上。甲府駅から小海までのアクセラ号の中では、2人の馴れ初めから何から、のインタビュー攻めをしているうちに、あっという間に到着。途中、ワインの栓抜きを買ったり、あるいは佐久の名酒を女性2人が「聞き酒」されたり、というインターバルがあったのに、9時過ぎに出て、11時頃には現地に到着。その後、着替えてお昼を食べて、奥さまは以前から所望されていたボードのお教室に、私はN夫妻と共にゲレンデへ。

で、「うちらはボーゲンに毛の生えた程度だ」というN夫妻の言葉を鵜呑みにしていた僕がアホだった。いきなり中級コースに行くも、ズンズン滑っていくお二人。こっちは何だか靴がブカブカみたいで、足をとられまくり、コントロールは効かず、こけまくり。でも必死について行くと、今度は中上級者コースのリフトに2人は向かっていく。「え、いきなり行くの?」と心の準備は出来てないものの、2人がいくんだから、とついて行って、滑り初めて大後悔。とんでもなく急斜面なのだ。しかも、もともと来たときから霧がかかっていたのだが、時間が経つにつれ、視界はどんどん悪くなっていく。遙か遠くが見えない、なんてものではなく、100メートル先、いや50メートル先もアヤシイ。でも、Nは気にせずズンズンすべり、パートナーのTさんも軽やかについて行くので、ボーゲン特攻隊のタケバタは従うしかない。Tさんの後ろ姿を必死に追いながら、いつもの1.5倍くらいのスピードで、普段滑るコースの2倍くらい急斜面を、必死でついていく。滑る、というより、転げ落ちるかどうかのギリギリのところで、無理矢理斜面を突っ切った。

で、2時間ほど滑って、ボード教室を終えた妻と待ち合わせるためと、あまりの靴の不快感、N夫妻のスピードについていけない、という気持ちが重なって、いったん戦線離脱。真っ先にレンタルショップに駆け込んで靴を交換して貰ってびっくり。本来のスノーブーツってこれほどしっくり来るのですね。ビギナー故にあまりに無知で滑っていたことを反省。その後はコントロール不能状態が遙かに減ったことを思うと、ピッタリ合った靴、がどれほど大切か、を全身こけまくりで文字通り「痛い」ほど思い知らされる。まあ、奥さまも念願だったターンを習得され、僕もその後は満足いく滑りとなり、えかった、えかった・・・なんて言っているうちに、あっという間に4時半。リフト終了時刻、というより、視界がどんどん悪化してきたので、ホテルに帰還する。

ホテルでは、バイキングの夕食の後、ここからが本気!の二次会。スパークリングワイン1本と赤ワイン2本、そして途中で日本酒720mlを買って、つまみもN夫妻が「北海道物産展」で揃えてくださったので、まあ足りるだろう、と思いきや、さにあらず! 僕はさすがに3本のワインが空いた頃にダウンして、ベッドに横になったが、その後3人で日本酒まで空にされて、ようやくお開き。まあ皆さん、飲むこと、しゃべること、そして食べること。なのにそれが文字通りの「身」になっているのは、どうみても僕一人。なんかズルイよなぁ、とぼやきそうになりながら、最近読んだダイエット関係の文章を思い出す。結局運動して落とすのが一番正攻法なんだよねぇ・・・。

そうそう、このホテルの良いところは、割と大きいサイズの冷蔵庫が各部屋にあること。スパークリングワインを立てて冷やせたし、しかも食品会社経営のホテルなので、グループが作っているお菓子だけでなく、2リットルの水も「ご自由にどうぞ」と入っていた。こういう細かい気配りは、特に酔いつぶれていたタケバタには何よりありがたかった。

そして翌日は、ご想像通りの筋肉痛。そして、土曜日なので、昨日と違って人、ひと、ヒト・・・。挙げ句の果てに、天気は抜群に良い。昨日くらいガラすきで、今日くらい晴天で、昨日のようにひんやりしていたら、そして筋肉痛もなかったらどれほどよかっただろう・・・なんてことを言うくらいだから、そう、今日の滑りはその全く逆。もともと筋肉痛でタダでさえ足がガクガクなのに、気温が10度近くまで上昇して雪質はベタベタで足が取られまくり。挙げ句の果てに人が多くって、よけるのに大変。なので、午前1時間半、午後1時間半滑って、早々に退散した。

とはいえ、スウェーデンで一度滑った以外、国内ではほとんど滑った経験のないタケバタにとって、今期は初デビュー戦。当然、泊まりがけスキーもこれが始めて。また、よその夫婦と合同の「合宿状態」もはじめて。これはこれでいいもんですなぁ、とにわかに雪の世界にはまりつつあるタケバタ。来年度の第二回スキー合宿in小海、を誓って、N夫妻とは別れた。そうそう、妻の上達ぶりを見て、来シーズンは早々にスキー教室にも出かけよう、と決意。なんせ「転げ落ちる」だけでは、いつまで経っても筋肉痛から解放されないもんね。あ、その前に、この春に板とストック、靴の三点セットをバーゲンで買うかどうか、大思案中・・・。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。