ウダウダから可視化へ

 

気がつけば正月休みも終わり、こちらも仕事モード。
申し遅れましたが、今年もこのブログをどうぞよろしくお願いします。

で、タケバタは新年早々の出張。昨年末にエアエッジ君を購入してしまったので、「しなの」の車中からでもこのスルメが更新できてしまう。いいんだか、悪いんだか。

この正月も1300キロかけて、実家ツアーに出かけてきた。渋滞予測の通り、今年は分散型だったようで、行きも帰りも若干の渋滞はあったものの、おおむね順調に旅を続ける事が出来た。日程を去年よりも一日延ばした、ということもあってか、だいぶのんびり出来た帰省であった。本当に電源を抜いたようになると、このオシャベリさんが、ほとんどぼんやり口数少なくなってしまう。特に後半の京都の実家では、気も抜いた為、酔いも早くまわり、おとそも大していただかないうちに、すっかり出来上がって、居眠りしてしまう。

そのおかげもあってか、昨日一昨日とジムに出かけたが、今年はほとんど正月太りすることなく、帰宅することが出来た。ちゃんと岡山でも京都でも歩く機会もあったし、正月早々悪くない滑り出しである。この調子で新年からバランスを取っていかないとねぇ。

で、山梨に帰った翌日から、こちらは仕事始め。年末にある程度仕事を片づけておいた、と思ったら、さにあらず。そういえば年末に「年明けまでにA4で10枚程度」「2月の学会発表を」なんて恐ろしい宿題も引き受けてしまった事もあって、年明けからデッドラインのある仕事がわんさかある。そうそう、来月はスウェーデン調査に行くつもりだが、その日程の確定も、年末になってようやく決めたところ。どうも昨年の特に後半は、決断力が鈍くなる(遅くなる)がゆえに、仕事が後手後手に回っていたことが多かった。その背景には、こんなつぶやきが隠されている。

「この決断をしてもよいのだろうか」「他の条件が整わないと」「正しい判断だろうか

普段のええかげんなタケバタからは想像できないかもしれないが、僕の本来の性格は「石橋を叩いて渡る」タイプであった。だから「機が熟すまで」「ギリギリまで」判断材料を並べて、ウダウダ悩むことも少なくなかった。もちろん、何にも考えずに右から左、という思考は問題がある。とはいえ、一定量以上の仕事を扱うようになってくると、多くのタスクに関して、先送りしていると、そのうち忘れてしまう。それよりは、「えいや」と決断して、駄目だったらその時考える、という方が、多少はましなのではないか、ようやくそう思い始めたのだ。

こんな事を書いていると、自己啓発系ビジネス書の亜流のようだが、でも実際、決断の先送りは、あまりよい結果をもたらさない。それでも不安な場合、まずはその要素を全部書き出して検討してみたらいい、ということで、ある方に教えてもらったマインドマネージャの体験版をインストールしてみる。なるほど、放射線状に整理してみると、不安や未決材料も可視化されてくる。不安なのは、考えがまとまらず、しかもそのまとまらない要素が整理(可視化)されていないから起こる場合が、僕の場合は多い。それなら、こうして決断が鈍る際にはどんどん可視化していくことによって、とりあえずの決断が出来る。そのプロセスを残しておけば、後で再検討する時も、どの時点でのどの判断に問題があったか、を理解することが出来る。天才型ではない人間にとって、自身の直感を可視化して補強するこの手法は、結構使える。というわけで、昨年末からマインドマネージャーにお世話になって、どんどんマインドマップを作って整理していく。おかげで、未決状態だった懸案の仕事もだいぶ整理できた。後は書くだけである。

今年はこういう思考の補助具をフル活用して、ウダウダしていずに、もう少し仕事(や決断)の効率化とスピードアップ(もちろん質を落とさずに)をしなければ、と改めて思う。やることは、次から次へと振ってくる。断る、という選択肢もあって、もちろんそうさせて頂く場合もある。でも、社会的使命、というほどではないけれど、このスタンス・現場であるが故にお願いされた仕事では、断れない場合もある。一度引き受けたなら、いい加減に終わらしたくない。でも、正月に電源を抜く日々をすごして実感するのだが、こういう休暇もちゃんとコンスタントにとらないと、バッテリーが上がる、だけでなく、回路がショートする日もそう遠くないような気もする。しかも、そういう最終的なバランスは、他人ではなく自己責任。ならば、仕事の効率化と休みの確保、という当たり前のような(かつ日本ではなかなか確保しにくい)ことをするしか、楽しく一年は過ごせない。

というわけで、今年はちゃんと働くけれど、ちゃんと休みもとろう、と心に決めたのでありました。
手始めは、2月のスキーから。しっかり楽しめるように、今月の〆切三昧を乗り切ろうっと。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。