東京と大阪の魅力的な会の告知+α

 

ここ最近、肯定的であれ批判的であれ、制度や法律の激変の「後追い」をしている催しものが多い。それはそれで仕方ないのだが、本当に参加して充実する、オモロイ講演会なりシンポジウムって、やはりその制度の枠組みを超えた部分にある。こないだ紹介したNPO大阪精神医療人権センターのオンブズマン活動の講演会しかり。

で、そんな制度の枠組みに囚われない、本質的な議論や問題提起が聞ける講演会が、何と同じ日に東京と大阪で開催される。僕自身、東京の講演会の主催側なので、大阪の方にいけず、非常に悔しい!!! 

東京の方は、障害のある方が施設から地域に生活を移行させるとはどういうことか、を検証するプロジェクトチームの2年以上の調査研究の報告集会(ちなみに昨年度報告はこちら)。大阪の方は、30年間かけて地域での福祉コミュニティー作りを続けてこられた老舗NPOの記念集会。この激変時期に、改めて市民活動とは何か、まちづくりとは何か、を考え直す絶好のチャンスになりそう。後者に出れず非常に残念なタケバタだが、せめて告知だけは掲載させて頂く。西の人は大阪に、東の人は東京に、でもいいけど、どちらも魅力的なので、東西関係なく、ご関心の向く方に足を運んでくださいませ。(ちなみにこの告知ついでに、一番下に僕自身に関連する告知も

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長野県知的障害者入所施「西駒郷」の地域移行を検証する研究報告会
(テーマ未定、微変更可能性あり)

日時 2008629日(日)12時から17時まで
場所 日本財団ビル大会議室(東京都港区赤坂1丁目22号)

<アクセス>
地下鉄銀座線「虎ノ門駅」3番出口徒歩5
地下鉄銀座線・南北線「溜池山王駅」9番出口徒歩5
地下鉄丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前駅」3番出口徒歩6

[
羽田空港から] 駅間所要時間 4050

京浜急行🙁都営地下鉄 浅草線に直通)→新橋→(東京メトロ銀座線)→虎ノ門

東京モノレール🙁浜松町でJRに乗換え)→新橋→(東京メトロ銀座線)→虎ノ門

[JR
東京駅から] 駅間所要時間 7 (東京メトロ丸の内線に乗換え)→国会議事堂前

内容 西駒郷からの地域移行検証研究報告<研究班>
    報告を受けて
     *地域相談支援の立場から
     *建築家の立場から
     *行政の立場から など   
    シンポジウム「西駒郷から街へ出ました!」
     *知的障害者ご本人3
     *コーディネーター 玉木幸則(西宮市・メインストリーム協会)

詳細は近日中にアップ

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「寝屋川市民たすけあいの会30周年記念講演会&シンポジウム」
 
寝屋川市民たすけあいの会は、1978年に「一人一人の人間が尊重され、差別のない社会を目ざし市民自らの手による寝屋川ボランティアビューロー(たすけあいホーム)を拠点として 人と人との交流の場づくり たすけあいのネットワークづくり 市民による福祉のまちづくりを活動の目的として発足しました。それから30年が経過しました。
私たちは、たすけあいホームを拠点として、「支え」「支えられ」の関係を地道に少しずつ積み重ねてきました。しかし、今日、人と人とのつながりの希薄化や地域のつながりの脆弱化の一方、社会福祉のあり方や市民活動のあり方も様変わりしてきています。そんな社会情勢がかわる中で、たすけあいの会としても2001年にNPO法人を設立し、事業を行うようにもなりました。その理念は変わらないものの、時代の流れの中で、形が変わらざるを得ない部分もあるように感じます。
活動をはじめて30年。区切りとして、改めて、たすけあいの会の活動の意味をどこに見出すのか、そしてたすけあいの会がめざしてきたまちづくり=ともに生きる地域づくりのためにどのような考え方や行動が必要なのかをそれぞれの地域で実践をされているみなさんとともに、考えていきたいと思います。

【日時】 平成20年6月29日(日)13:00~16:40
【会場】 寝屋川市立総合センター(中央公民館)2F講堂

(1) 記念講演会
「寝屋川市民たすけあいの会の30年の活動から
地域福祉、市民活動の原点を考える」
上野谷加代子さん(同志社大学教授、寝屋川市民たすけあいの会前代表)

(2) シンポジウム
「多様な市民のたすけあい、暮らしあいをつなぐ
 ともに生きる地域づくりをめざして
《コーディネーター》
守本友美さん(皇學館大学教授・寝屋川市民たすけあいの会運営委員)
《シンポジスト》
佐野章二さん(有限会社ビッグイシュー日本代表)
清水明彦さん(西宮市社会福祉協議会・障害者生活支援グループグループ長)
大谷秀之さん(社会福祉法人ならのは理事長)
冨田昌吾さん(寝屋川市民たすけあいの会)

定 員  400名
参加費  無  料(申し込み不要)
後 援  寝屋川市、寝屋川市社会福祉協議会、大阪ボランティア協会
主 催  寝屋川市民たすけあいの会 (担当:冨田)
572-0061 寝屋川市長栄寺町5-1  

詳細はホームページ内にて

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タケバタの告知
自分のことでお恥ずかしいのですが、最近私も関わらせて頂いた本が4冊ほど発刊されています。

「障害者福祉論 シリーズ・基礎からの社会福祉 4」(ミネルヴァ書房)
編者として関わらせて頂いた一冊。私は障害者福祉の理念!編と、自立支援法の解説、という二つの極の関係のような章を書かせて頂きました。シリーズ名にあるように、わかりやすく書くように、読みやすいように、と心がけたつもりです。

「精神保健福祉論 精神保健福祉士養成テキストブック 4」(ミネルヴァ書房)
いくつかの学校でこの精神保健福祉士の教科書を使った講義をしてみて、どうもしっくりこず、補足プリントを配りまくった覚えがあります。その理由に権利擁護の項目の物足りなさも感じていました。なので、自分も編者として関わらせて頂いたので、その辺の不全感を解消する内容にしたつもりです。国家試験対策でありつつ、既存の教科書とはテイストが違うと思います。

「支援の障害学に向けて」(現代書館)
『3章:「入院患者の声」による捉え直し』で、以前に書いたNPO大阪精神医療人権センターに寄せられる電話相談の内容を分析することから端を発して、なぜ精神医療オンブズマン活動が必要なのか、を分析しております。

「福祉先進国における脱施設化と地域生活支援」(現代書館)
リンクしたのは、今回のために検索していた見つけた好意的な書評。素朴に嬉しいですね。僕は「地域移行と権利擁護」という項目で、スウェーデンやアメリカと比較しながら、日本の地域移行政策に関して、敷地内ホームや退院支援施設の論点も踏まえて書きました。先述の西駒郷の報告書を今書いている途中なのですが、改めて地域生活移行と権利擁護の深い関係を実感しつつあります。

というわけで、一応最近の成果報告もさせて頂きました。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。