いつもの「最終」より

 

2009年に入ってから初の「最終かいじ」号のひとである。

思えば昨年は本当にこの「最終かいじ」号にはお世話になった。22時20分頃まで、神保町で研究会があり、そこから都営新宿線(22時28分)に乗って新宿駅へ。研究会の間にご飯を食べ損ねた日(例えば今日)は新宿駅のキオスクで腹の足しになるもの(今年から再びダイエット計画なので、今日は98kcalのシリアルビスケット)を買って、行きに予約しておいた新宿23時発の「最終かいじ」の8号車4番あたりに座る。昨年は前期の月曜、立教で非常勤(1・2限)をしていたので、朝5時50分の普通電車!に乗って新座まで行き、二コマした後、東京に出てきて夕刻から研究会、というえげつない日程が4,5回はあったので、よくもまあ無茶したなぁ、と改めて驚嘆する。今日だって、4時半まで授業教授会で、終わるや否や電車に飛び乗って、だったのだけれど

大変だけれど、無理をしてでも出かけるのは、ずっと続けてきた研究会の成果として、一冊の本にまとめる最終段階だから。障害福祉政策のトップランナーの集まりの末席に加えて頂き、その場での議論についていこうと必死になりながら、にわか勉強を続けてきた。その議論と検討の成果が形になっていき、私自身の分担部分のドラフトも何とかおおむね了解も頂き、ほっと胸をなで下ろす。こういう「大きな背伸び」をすることが、学びの本質(の一つ)であるのだな、と改めて感じる。もともと絵に描いたような凡人なので、気が付けばずっと「大きな背伸び」ばかりだ。でも、こうして受け止めて頂く土壌があるから、伸びきったり筋が切れたりすることなく、何とかアジャスト出来ている(つもり?)のである。

実は明日も授業後、今度は徳島に出張なので、また今日帰る道の逆戻りなのだが、まあそれは仕方ない。それに、土日は全国の大学教員が総動員される例の「センター」とやらで、文字通り朝から晩まで詰めている。タイトな日々だが、まあ好きで選んだのだから、仕方ない、か。それに、こないだの3連休は文字通り「引きこもり」のように、家でずっといた。まあ、今日議論のまな板の上に上げたドラフトを書いていた、というのが主な理由だが、でも比較的のんびり本も読めたし、多少風邪も引きかけたが、そのおかげもあって身体もゆっくり休めた。まずまずの休暇であった。こういう休暇の後なので!?、馬車馬のように働くのも、まあしゃあないか、と諦めもつく。卒論の〆切もいよいよ来週火曜日なので、その追い込み学生の指導も明日だけで終わらない可能性も大いにあり得るし

忙しいことを言い訳に、モノを考えないでただ単に右から左、に済ます人もいる。一方、どれほど忙しくても、いや忙しいからこそ、きっちりと筋道立てて優先順位を考え、ロジカルな判断と組み立てを基本にして、次々と課題を整理していく人もいる。昨年の暮れあたりから、自分が前者であること、そしてそれが問題であること、を遅まきながらようやく強く意識し始めた。忙しいから「こそ」、徹底的に考え抜き、必要とされる事は何か、手持ちのカードで出来ることは何か、を突き詰めないと、突き抜けることはできない。そうようやくわかり始めた。このあたりが、今年の超えるべき課題だ、といつもの車内で改めて整理してみたくなった。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。