インプットの時期

ここしばらく、「インプット不足」を痛感している。

大学の教員となり、大学だけでなく、現場で、地域で、アウトプットするチャンスが増えてくる。しゃべっていて、一応の体系をなしていることもあるけれど、深みが足りない、拡がりが薄い。これは、しゃべっている自分が一番よくわかることである。これほどまでにインプットを切実に感じることは、これまでなかったかもしれない。とにかく切実に「調べなきゃ」、「読まなきゃ」、「まとめなきゃ」、と思っているキーワードが山ほど目の前で点滅しているのだ。

今日あたりから、ようやく自分のペースでインプットできる期間になりはじめた。よく考えたら、この数年間、現場をほっつき回る、あるいはある論文を書く、という限定的な目的のために集中的なインプットをする機会はあったけれど、広く深く、自分が今気になっているターゲットに対してインプットに集中できる時間的・精神的・金銭的余裕がなかった。これが、大学に所属することの、教員としての大きなチャンスなんだと思う。もちろん、休み期間中もテストの採点や、あるいは研究プロジェクトのお仕事など、色々片づけなければならない事もある。でも、それをしつつ、いかにインプットに邁進できるか? それが、これから9月末までの、自分の課題だ。

台風一過のあとは、富士山もきれいにみえ、研究室の前からは蝉の大合唱が聞こえてくる。リフレッシュも上手に入れながら、いかにインプットにこの夏集中できるか? 甲府での初の夏休み、新たなインプットのチャンスに、今からワクワクしている。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。