冬支度

甲府は本気で寒くなってきた。

昼間は暖かいのだが、朝晩はものすごく冷える。気がつけば、最低気温が2度とかテレビで言っている。こりゃ、本気で寒い。

実はこれほど寒いのは、スウェーデンの冬を二年間に過ごしたことがあるので経験ずみなのだが、でも今回は様子が違う。スウェーデンで借りていたアパートだけでなく、スウェーデンの建物はどこでも、中に一歩入ればすっごく暖かい。正直、半袖でも十分、というほどに暖かい。だから、脱ぎ着できるように重ね着して、外ではパッチもはくぐらい寒くても、おうちではそのパッチのおかげで汗ダラダラ、という事態に遭遇していた。日本から持って行ったジャンパーがからきし役に立たず、現地でスキー用の上着を購入してお正月に北極圏まで繰り出したことを思い出す。北極圏ではなくとも、イエテボリでも本気で寒かった。

それに比べたら甲府はましだが、だが家の中が寒い。鉄筋コンクリートの我がマンションも、2週間前くらいから底冷えがし始めた。電気ストーブやエアコンではラチが空かない。いつもお世話になっているHさんが、「甲府の冬を乗り切るには絶対に石油ファンヒーターよ」とご助言頂いたので、早速ストーブを買いに走る。予算は3万円だったが、「消火後の臭さをシャッターをしめてシャットアウト」という宣伝文句の最新型ストーブに思わず目がいき、5000円オーバーだが買ってしまう。当初はもう3000円高かったのだが、値切れてしまったので衝動買いしてしまった。でもこのストーブのおかげで、ようやく朝の寒さも乗り切れる事となった。

冬支度はこれだけでない。先週末は仕事の帰りによった小淵沢のアウトレットで、ダウンジャケットを買う。手持ちのジャンパーは重すぎるか、あるいは生地が薄くて、甲府の冬を乗り切れない。かといって、スウェーデンで買った重装備のスキー用ジャンパーをスーツの上に羽織るのも不格好。なので、ちょっと高かったが、黄色と茶色のリバーシブルのダウン素材のジャンパーを買う。着心地が良く、何より軽い。スーツを着ていても、どうも肩こり気味のタケバタにとっては、大変に良い素材、と感動する。ついでに、以前買ってお気に入りになったシャツ屋で白シャツを買う。良いシャツは、仕立てが本当によくて、着心地がいい。しかも、今回買った白シャツは一ひねりしてあり、着るのがすごく楽しみだ。そう、皆さんご存じないかもしれないのですが、実はタケバタはシャツ好きだったりするのです。でも、この仕立ての良いシャツを見つけてしまったので、当分の間、このシャツ屋で買おう、と心に決めていたりするタケバタであった。

で、冬支度は我が家と自分だけではない。今日は車の冬支度、スタッドレスタイヤの交換も行った。奥さまはノーマルタイヤのホイルがお気に入りだったので、「スタッドレスタイヤのセットについてくるアルミホイルはダサイのではないか?」と不審がられていたが、いざ装着されたタイヤをご覧になられて一言、「意外とわるくないじゃない」。ああ、よかった。一番安いアルミホイルだけれど、16インチなので、結構高かったのですよ。などと言ってもしゃあないけれど、これで冬道も安心だ。なんせ、勤労感謝の日、大阪からのお客様を乗せて御坂峠を登って天下茶屋まで向かった折、朝10時過ぎでも道は一部霜が降りていた。山梨の山道はそれほどもう、寒い。車も朝、かなり白くなっている。西宮と違い、本気の寒さだ。なので、人も家も車も冬支度。そしてタイヤを倉庫にしまったついでに、倉庫に置いてあった奥さまのスノボも取り出す。この冬は、ちょっくら僕もスキーに出かけよう。そうしないとスタッドレスの元もとれないし・・・。などと考えていると、この冬も楽しくなってきた。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。