便りのないのは

 

よい便り、です(たぶん)。

先週から急激に忙しくなっている。2月末に、学会発表用のフルペーパー1本、海外学会用のアブストラクト1本を仕上げて、月曜火曜は三重で講演3本+会議2つ。研究モードにだいぶ頭が戻りつつあるのはよいことなのだが、とにかく忙しくて、ブログを書き込む暇がない。

そういえば、火曜日の夜は最終の「ふじかわ」号で帰る中でブログをしたためようと思っていたのだが、静岡駅のホームで水を買おうとしていると、「あら、どうしたの?」と声をかけられる。職場の先輩のE先生。あちらは学内で要職にありながら、本や論文も沢山書き、そして現場で講演も週1ペース以上でしておられる。本当に超人。ブログを書くより、せっかくなので、E先生の席にお邪魔し、2時間話し込む。当然、水は缶ビールに変わっている。

印象的だったE先生の一言がある。
「僕のやる分野って、教科書も先行研究もないんだよなぁ。だから、講演に出かけて、現場の人と話す中で、考えるしかないんだよなぁ」

僕自身も、月曜火曜の講演現場でちょうど様々なことを教わっていたので、そのシンクロニシティにびっくり。そう、先行研究って、ある程度固まった何か。しかし、自分も、まだ流動的で、あまり眼もかけられていない、アモルファスな何かを追いかけているんだよなぁ、と改めて感じた。きさくな先輩の叡智を、しみじみと噛みしめながら聴いている内に、あっというまの2時間だった。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。