情報公開の効用

「情報公開」なるものに最近ご縁がある。

秋深い奈良で、精神保健福祉の情報公開、というタイトルでの講演会でコーディネーターをさせてもらった。密室性や情報の非対称性が問題となる精神保健福祉の世界において、どのように情報公開が役に立つか、というシンポジウム。シンポジストの皆さんの話が面白くて、引き込まれているうちに、あっという間に終わってしまった。

で、いつものように付け焼き刃のにわか勉強で臨むタケバタ。当日朝の電車内で、とりあえず情報公開の論点について5W1Hの形で図にまとめ、それを口頭でペラペラしゃべったのだけれど、案外うまくいった。でも、当日配布したレジュメには記載していなかったので、改めて奈良のミニコミ誌の新年号にこの原稿を書かせて頂く。書いてみて、いい加減にしゃべるのとは違い、活字化することの大変さを改めて身にしみて感じる。いやはや、精進が足りませんなぁ・・・。

で、情報公開、といえば、例えば精神病院に関して言うと、情報公開に非協力的なところほど、一般的に言って、アヤシイ。閉鎖病棟や保護室にまで外部の人間を絶対入れない、面会に出かけても病室ではなく面会室で看護人監視の元で面会する、精神医療審査会への訴え件数が極端に少ない、病院が自主的に公表する情報が極端に少ない・・・これらの内容は、その病院の情報公開に対する非協力的態度を物語っている。そして、そういう非協力的態度をとる病院の中には、問題を隠蔽しよう、という方向性で考えている病院も、一部あるのだ。つまり単純に言えば、自分にやましい部分、隠したい部分があるほど、人間は情報を非公開にしたがるのである。

では、タケバタにはやましき部分はないのか? いえ、あります。
今まで情報「非公開」にしてきたけれど、今回敢えて!公表します。

実は僕・・・デブなんです。相当やばい!

そんなん見たらわかるよ、と言われるかもしれない。でも何よりショックだったこと。それは先月に大学の健康診断を受けた結果が一昨日帰ってきたのだが、中性脂肪やコレステロール値だけが堂々の「D(=要改善)」ランクだった!! 運動不足でこのまま行くと脳梗塞などの二次災害に結びつくのだそうな。僕自身、基本的にはオープンマインドなのだけれど、これまで体重情報だけはひた隠しにしてきた。なぜって、一番知られたくないし、気にしているし、でも変わらないデータだ、と思いこんで悲観的になっていたから。

しかし、精神病院でも、知られたくない、気になる、でも変わらないデータを持っている所ほど、公開しないんだよね。隔離拘束の日数や平均在院日数など。だって、それがあんまり良くない事だと知っていて、しかし自分だけの手ではうまく変えることが出来ない、と信じきっているから。しかし、本当に物事を変えたい、と思うなら、そういう「自分にとって都合の悪い情報」も含めて公開し、こういう事実経過があって、現状はこうで、変えるためには、こういう努力が必要だし、私たちは現状においてもこの程度変えてきました、という形での公開が必要だ。実際にこれを実践している精神病院もあるけれど、これは病院に限ったことではなく、オープンマインディッドな人ならば、自分の弱点も含めて公開している。そして一般的に私たちは、そういうオープンマインディッドな人や組織に対しての方が、そうでない場合より信頼を置く。

・・・というわけで、一応これでもオープンマインディッドなつもりのタケバタは、他人を批判するだけでなく、自分の中で、「悪い」けど「うまく変えられない」データについては、自主的公開をすすめて、衆人環視の中で変えていくしかない、そう思うことにしました。

正直に体重を告白します。さっき計ったら82キロまでありました!きょ、きょえー。この夏には77キロまで落ちたのに、また増えたよ! まあ今、ご飯を食べ終わったところだったので、実際には80キロ、かな(希望的観測)。でも、身長が170センチなので、実際には63キロくらいが、標準体重と言われている。ということは、そこから20キロ弱、重い!! わかってはいるんだけれど、ついつい食べちゃうんだよねぇ。でも、あと10キロは何とか減らさないと、早死にしちゃうよ・・・。

今後このブログでは適宜、自分自身の一番知られたくない話題(=体重情報)に関する情報開示を、情報公開請求をされずとも(誰もしないと思うけど)、勝手にすすめていくつもりであります。そこで皆様にもお願い。これをお読みになられた方は、どなたであっても、どうぞご遠慮なさらずにタケバタに「最近何キロ?」とお声かけください。情報公開をすすめ、一番知られたくない、気にしている、変わらないと信じ込んでいるデータをこそ皆様の前につまびらかにして、その現状認識から改善の第一歩がはじまる。精神病院にしてもタケバタの体重にしても、本質は同じだと思っています。この積極的情報公開で、せめて70キロ代前半まで回復したらいいのだけれど・・・。このまま行くと、スーツがアウトになるすれすれなのです。何とか、生活を立て直すためにも、1年でせめて75キロを切るところまで行きたい、これがタケバタの願いでもあります。

あとは、よく噛んで食べて、週に二回のジム、これも公約に入れておきます。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。