諦めない!

 

朝一、ある方のブログをなんとはなしにみていて、明日が確定申告の締め切り日と知り、愕然とする。明日は卒業式で会議も入っているし、どう考えても無理じゃん、と。というわけで、朝から急遽予定を変更し、源泉徴収やら経費となる領収書やらひっかき集めて、エクセル君をパタパタ打って、税務署の特設会場へ。タッチパネルの操作をしてくれる女性の顔に何となく見覚えがあるなぁ・・・と思っていたら、ハタと気づいた。こないだ研究室に訪れた、他のゼミの学生さんじゃないか。ああ、こういう収入なのね、とまるわかりだよなぁ・・・と思いながら、まあしゃあないか、と特別会場を後にする。

そして大学で二仕事終えて帰宅。今宵は9時15分からテレビに釘付けだった。それは、NHKのプロフェッショナル。今日の特集は、以前お世話になった竹岡先生が出ていたのだ。

僕は実は竹岡先生の授業は聞いたことがないのだが、竹岡先生と一緒に仕事をしておられる恩師のT先生を通じて竹岡先生と出会い、また竹岡先生は高校の先輩、ということもあって、数ヶ月だけ、竹岡先生の塾で教えさせて頂いたこともある。そういうご縁もあって親近感を抱いていたのだが、今日、竹岡先生のドキュメントをみていて、あらためて実感した。そう、「なにくそ! 諦めるもんか!」 このマグマのような想いが、竹岡先生や恩師のT先生、そして僕は同じなんだ、と。

番組の中で、竹岡先生は「きっかけをつかめば自ら伸びる」とおっしゃっていた。これは、塾講をしていたタケバタとしてもまさに実感することだ。僕も、K学院やM塾で高校生や予備校生と真剣勝負をしていた頃、心からそう思った。「どうせ俺なんて」と自分を低く評価している人は、どれだけ基礎学力やIQというものが高くっても、伸びることはない。逆に、「なんとかしたい!」「なにくそ!」「諦めたくない!」と強い気持ちを持っている学生なら、その人の基礎学力がどれほど低くても、極端な話、高校3年生で中学英語があやふやでも、1年根性を本気で出せば、相当な努力が出来て、それが実る、ってことを。 そう、僕は塾講をしていた12年間で、諦めずに本気でものごとに取り組めば、人は本当に変わる、ということを身体で覚え込んでいたのだとおもう。

ただ、この数年の間に、偏差値至上主義からは完全に抜けきってしまった。正直言うと、国立の研究中心の大学より、手前味噌になるが山梨学院のような私学の方が、教育という面で本気になっている先生方は多い。それは、母校と比較してもそう思う。だから、闇雲に偏差値のみで大学を計るのは、ちょっと違うんじゃないの、と思う。むしろ、その現場に置いて、社会的に評価されている地位なりステージに甘んじて、それ以上の努力をしないことの方が、大いなる問題だと思っている。去年一年教えてみて、我が大学の学生さんの中には、小さくまとまろう、とか、どうせ自分なんて、と過小評価している学生さんがいるのが少し気になった。そうやって自分の評価を下げているのも、実は自分なんです。「なにくそ!」と思って、諦めずに、自分はこういう風になりたい、と目を輝かしていれば、きっと自分の夢はかなうのだ。

僕自身、ずっと「なにくそ!」と言い続けた10代、20代だった。いろんなことがうまくいかず、諦めかけたり、挫折しかかったりもした。でも、そのたびに、色んな方々に支えられ、助けられ、励まされるなかで、「
なにくそ!」「諦めるもんか」と歯を食いしばってきたのだと思う。確かに楽じゃない。でも、そうやって、人生で一度は大勝負を張って、必死こいてがんばるからこそ、次に向けてのビジョンが、その必死さのなから、徐々にジワジワ出てきたと思う。簡単に「どうせ」とは絶対に言いたくない! これが、僕の数少ないこだわりだ。普段の日常生活には、あんまりこだわりがなさすぎて、非常識とも言われるが、でも、この「諦めたくない」というこだわりだけは絶対に捨てたくない。その人の人生は先天的に決められているのではない。本気になって、ある対象とがっぷり向き合う中で、醸成されていくものなのだ。だから、僕はいつまでも自分と向き合う学生さんには「なにくそ!」「諦めんぞ!」という想いは伝えていきたい。そう感じている。

投稿者 bata : 22:24 | コメント (0) | トラックバック

20060313

姿勢の良いおかげで・・・

昨日、春が来た、なんて書いた翌日、甲府は「寒の戻り」となった。
まあとにかくめちゃんこ寒い。車の寒暖計は、先ほど4度と言っていた。昨日より10度以上寒い。身体は春のモードになりかけていたから、こういう寒さは余計にこたえる。

今日も朝から大学に出かけ、こりこりと報告書に打ち込む。先週に研究会があって、手直し原稿が二本、それに加えて、報告書のまとめの部分で提案をしてしまったばっかりに、「じゃあその部分を書いてよ」と頼まれてしまい、その原稿を結局引き受ける羽目になってしまった。こういうのは「言い出しっぺの責任」というのだろうが、この時期、あと二本ほど原稿の〆切が今月中にあって、しかも来週から海外に出かける直前の「カウントダウン」がされている頃に、今さらの追加は厳しい。とはいえ、大変お世話になっている方から頼まれてしまっては、引くに引けないし、どうせやるならちゃんとやらねば、と、ゴリゴリ昨日も今日も悩んで、とにかくひとまとめが出来る。それをメールで添付して送った後、今度は次の原稿。何だか右から左に、次から次に、パタパタかたかた毎日パソコンと睨めっこの日々なのである。

こうやって一日8時間以上画面と睨めっこの日々が続いていて、つくづくモニターと椅子に感謝している。その昔、修士論文を書いているとき、毎日ブラウン管モニターと睨めっこしていて、ものすごい眼精疲労に肩こりに苦しんでいた。ちなみに僕は普段はあんまり頭も眼も使わないので、視力も良いし、肩こりとは無縁の生活だ。そのタケバタが眼も肩もこり始めた。これは修論に入れ込んでいるからか、と思ったが、何のことはない、テレビのブラウン管を、毎日間近でずっと見続けていたら、そりゃあ眼も肩もやられるわねぇ。というわけで、以来、液晶モニタに変えたら、眼も肩もすこぶる調子が良くなった。

それから、椅子の効果も絶大だ。あるNPOで働いていたとき、そこにあったバランスチェアを使っていたら、姿勢がしゃんとしてすこぶるよかった。椅子が前傾姿勢になっていて、膝を支える部分もあり、背骨全体がすっきり伸びるデザインの椅子。甲府の引っ越した後、僕は広島の会社から通販でホーグ社のバランスチェアを2万円台で購入したのだが、もう既にもとは取っている。ここしばらく研究室で朝から夕方までパソコンに向きっぱなしの日々が多いのだが、姿勢良く座っていると、腰にも負担が少なく、もちろん眼や肩のこりもない。こういうすぐれものがあるから、真っ当に論文と格闘出来るのだ、と思うと、あらためて椅子や液晶モニターの威力に感謝してもしきれない。

そういえば今日、久々にジムに出かけ、エアロバイクで汗をコッテリかきながら、スポーツ系の雑誌を読んでいた。こういう雑誌はジムにでも行かない限り絶対に読まないので、それはそれで面白い。で、その雑誌の今月号の特集は肩と眼の凝り。やはり運動不足と姿勢の悪さが、これらの一番の原因のようだ。運動不足はジムにでもいかないと解消出来ないが、姿勢悪さはバランスチェアで大部緩和されている。そういえば今、家のPCに向かっているのだが、おうちの椅子は、普通の椅子で、気がつけば猫背姿勢。この猫背こそ、諸悪の根源だ、と、その雑誌でも書いてあった。確かに姿勢悪けりゃ、色々な部分に悪影響するだろうなぁ、と思いながら、そないにひどく書かなくても、と思ってしまう自分もいる。

ジムでコッテリ汗をかきまくり、帰りに美味しい鱈を買って、こよいは鍋。寒の戻りには、日本酒と鍋がしみわたる。とはいえ、こういう気分を求めるのも、もうあと何日か。ぼちぼち来週あたりには桜の開花も予想されている。やはり、春はもうすぐそこなのだ。そろそろスノータイヤも替えないと。結局、この冬はほとんど必要なかったよなぁ・・・。ま、履き替えている安心感はあったので、高い「保険料」としておこうか・・・。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。