週末、スキーに出かける。
実はある大切な会合に呼ばれていたけれど、それより前に友達夫妻と我が家の4人組で出かけることに決まっていた。で、最近政府がしきりに言う「ワークライフバランス」の考え方ではないけれど、きちんと仕事とプライベートのバランスを保つためには、土日のこういうイレギュラーな「仕事」ばかりを、休日の予定に優先させると大変な事になる。来月再来月と出張ばかりだし・・・なので!?一泊二日のツアーを楽しむ。関係者の方、すいません。
で、今回の行き先もやはりエコーバレー。で、以前このブログで書いたように、今回もTコーチにお世話になる。以前彼が言っていた「本当に一生滑れる技術を身につけたければ、やはり泊まりがけできて、2日連続でレッスンを受けた方がいい」という助言を信じてみたかったからだ。で、当然二日間ともレギュラーレッスンを申し込む。すると、なんと有り難いことに、今回も受講生は僕一人! つまり、Tコーチからのマンツーマンレッスンを、二日連続で受けられたのだ。しかも、破格の値段(普段のレッスン料)で! 何という有り難いことか! おかげで、色々真髄(滑れる皆さんにとってはごくごく基本)をご教示頂いた。
「スキーは足の裏で滑るべきである。決して上半身や肩だけで回ろうとしたりしてはいけない。」「足は操縦桿。足でしっかりコントロールできれば、止まれる。両足のどの部分に力を入れるか、に常に意識をするとよい。」「とにかくリラックス。肩の力を抜いて、周りの景色を楽しむつもりで。」「急斜面では、最初から早く滑ろうとするな。ボーゲンで、しっかりスピードコントロールして、横に滑るつもりで。」「ボーゲンは、基本的に体重移動。左足が谷の時、左に体重をかけ、右足をぐっと開いて、曲がりながら重心を左から真ん中に。そして、谷を正面にむいても怖がらない。ハの字型をしていれば、かならず急斜面でも止まる。その止まりそうな緩い速度で、その後ジワジワッと重心を右に移動していくと、横に滑れる。右に曲がるときはその逆。特に左に曲がる際、左足になかなか重心移動出来にくいので、右足が浮かず、動きにくい。」「スキーは重心移動とエッジが基本。」「パラレルの際、右に曲がるときは、右の小指に力を入れ、身体も向け、その後、左足の土踏まずに力をいれる。左に曲がるときは、左の小指から右足の土踏まず。つまり、右に曲がるときなら、右足でエッジをかけ、左足も内股でエッジをかけると、曲がっていく。右に曲がるときは、右側に重心移動。また、しゃがんで、ぐっと右前に向きながら前を向くと、すーっと滑っていける。」
実は、コーチに何度言われても、恐怖心はなかなか消え去らなかった。で、一端恐怖心が蔓延すると、なかなか身体が言うことをきかない。足の指まで、怖いものだから、ついぎゅっと握りしめてしまう。すると、足の入力機関系をまったく塞いでしまうことになるから、何が問題か、どう改善すればいいのか、というインターフェイスが全く見えてこない。つまり、ハンドルを離して運転しているようなものだ。そういう中で、恐怖心がどんどん増幅し、改善策も浮かばず、結果としてマッチポンプ的に問題を拡大させてしまっている・・・。リラックスできないと、マイナスの期待や想像をし、そこからマイナスのフィードバックとして身体の硬直化という反応を引き起こし、結果としてマイナスの出力(コントロール不能)が生じ、ますますリラックスできず・・・というマイナスの悪循環の回路を、Tコーチの指摘から学んだような気がした。
で、このマイナスのフィードバック、というのは、何もスキーに限ったことではない。最近とぼとぼ復活したテニスだって、力が入りすぎると、絶対にうまくいかない。スポーツに限らず、思考回路だって同じ。ネガティブな想像や予期に身を任せてしまうと、必ずマイナスのフィードバックが生じる。しかも、一人で悪循環に浸っているだけならまだしも、対人関係でも、このマイナスのフィードバックは恐ろしく作用する。相手にある枠組みをはめこんでしまって、マイナスの期待をすると、相手もこちらのマイナスの期待を感じ取り、結構な割合で、マイナスのフィードバックを返してくるのだ。その対応に、「やっぱりなってない」なんてこちらが反応すると、そのマイナス回路は悪循環モードにはまり・・・。このとき、他責的に「あいつはなんて奴だ・・・」と言っているけど、諸悪の根元は、結構自身のマイナスの入力に端を発する部分も多い。相手の反応は、あくまでもこちらの入力に素直に従っただけの、当然の結果としての出力にもかかわらず、ある意味「リクエスト通り」の結果に一番否定的反応を示すのは、、無意識にオーダーした当の本人だったりする。
スキーで、一番大切なのは、リラックスして、流れに身をまかせること。舵を切るとき以外は、とにかくその流れに乗ってツルツルと滑っていけば、うまく運ばれていく。自然相手でも、なかなか任せきれなくて、ついつい流れに抗した無茶をしてうまく滑れずにいたタケバタ。対人関係でも、まだコチコチになっている部分があるのではないか。コーチに教わった真髄を復習しながら、いつしか反省モードになっていた。