変化の予感

 

今日は珍しく最終ではなく、新宿21時発の「あずさ」に乗りこむことが出来た。移動日にしては、お早いお帰り、である。ま、夕方5時過ぎまでは大阪は堺市に居たのだけれど

昨日は三重で、人材育成のあり方に関する講演とディスカッションのお仕事、今日は堺で久しぶりに一参加者としてのお勉強のためにツアーを組んでいた。今日は、その堺でのフォーラムの後、主催者の懇親会にお誘い頂いていて、もともと1時間ほど顔を出すつもりでもいた。だが、ご案内のように、大寒波が襲っている。パッチ(関東ではズボン下、というのですね、最近初めて知りました)を履いていないと、関西も本気で寒い。今朝から米原付近で新幹線が雪による徐行運転をしている、最大30分遅れ、とも聞いていたので、山梨まで帰り着く民としては、ギリギリの移動は、特に終電付近だとかなりリスキーになる。

よって、会の終了後、早々会場を後にして、いざ新大阪でとにかく東京行きの新幹線に飛び乗ってみたら、既に京都から雪模様。そして、滋賀に入るとそこは雪国。暗い車中から車窓を眺めていても、10センチ以上積もっている様子が見える。ただ、幸いなことにまだ夕刻の段階だったので、15分の遅れで名古屋に到着し、その後遅れを7分にまで縮めて品川に到着。すると、ギリギリで新宿21時のこの列車に滑り込めたのである。これを逃すと次は1時間後の22時。いやはや、滑り込めてよかった。

そう、昨年もこうやって移動中にブログをしたためることは多かったし、たまたまここ三週間は毎週出張続きだが、それを言ったら昨年秋の方がずっと出張続きで酷い状態だった。にもかかわらず、今年の方がブログをマメに更新している。そのことを、ちょうど今日一緒だったナカムラ君に指摘される。前にも書いたが、彼とは先週飲んでいて、その際にカメラ談義になり、僕が「宝の持ち腐れ」しているフィルムカメラの名機、ニコンのF3を彼に使ってもらうべく山梨から京都まで持ってきた。で、取りに来てもらったついでに、ずうずうしくも、堺まで車で送ってもらったのである。ほんと、わがままな友人に付き合ってくれる旧友には、深い感謝、である。そのナカムラ君にブログの更新頻度のことを指摘されて、ふと、考える。確かに、ここ最近、変化が生じ始めているのかもしれない、と。

年の区切りで考え方の変化を語るのは何ら論理的ではないのだけれど、でも、最近、いくつかの変化が自分の中で芽生えつつあるのを感じる。こないだの教授会で席がお隣だったM先生に、「ブログをみていると、突っ走っているようですね」と指摘されたが、確かにその部分があるのかもしれない。別に無理をしていないし、浮き足だってもいない。でも、変化に向けて一歩を踏み出す胎動を感じる。

その一つがダイエット。主治医に「食毒」と言われて始めた低炭水化物ダイエット。2週間を過ぎたあたりで、3キロくらい、するすると落ちました。一日に一回は美味しいものをゆっくり頂く。お酒もたしなむ。そのかわり、炭水化物を減らし、それからあとの2食は摂取量をセーブする。このパターンは、僕自身の生活リズムにも合っているようで、無理なく続けられる。あと、「ためしてガッテン本」のHPからダウンロード出来る体重増減のグラフ表が、励みになる。100グラム単位で朝夕付ける体重記録を気にしつつ、増えた翌日にはセーブ量を増やしたり、という意識化が出来て、大変よろしい。

意識化ついでにもう一つ大きな変化が食事に関してある。それは、「レコーディングダイエット」で岡田氏が言っていた「太る努力を止める」というフレーズ。このフレーズは、僕の中で自己認識のコペルニクス的転換となった。「腹が減っては戦が出来ぬ」とばかりに、食欲や空腹感とは関係なく、三食きちんと時間通りに生真面目に食べ続け、長年頑張って「太る努力」に邁進してきた自分がいた。だが、戦国時代の食事情と今を一緒にしてはならない。時には一食くらい抜いても充分に戦が出来るほどのカロリーは摂取しているのである。不必要にそれ以上取っているから「食毒」となるのだ。

と、こんな風に書くと、ストイックすぎて気持ち悪い、と思っている方もいるかもしれない。事実、レコーディングダイエット本は、オタク的なカロリー計算など、ちょっとついていけない部分がある。でも、自分なりのリズムを作ってカロリーセーブ、ならば、エピキュリアン、というより単なる「食い意地」張っている人間でも、すんなり実践は出来る。例えば昨日は移動途中の塩尻で、30分の待ち合わせ時間があったので、途中下車して塩尻市役所の近所にある美味しい中村屋のパン屋に向かう。ベーグルサンドとフォッカッチャを買ったのだが、結局、昨日のお昼はベーグルサンドのみ。いざとなったら食べよう、と保険のように持っていたのだが、昨日は食べず、今晩はそのフォッカッチャを車中で頂く(しかも半分でやめた)。別に無理をしてない。そもそも僕の日々は、少しの頭と沢山の口を動かしているだけで、カロリー消費は少ない生活なのだ。だから、美味しいものは食べたいけど、量はセーブしても、十分対応可能である。ちなみに、昨日の夜はちょうど運良く実家ではカニすきに巡り合い、今日のお昼はナカムラ君とハンバーグランチを食べる。でも、昨晩なら雑炊は食べない、とか、今日ならポテトサラダとパンはパスする、とか、小さな積み重ねが効いてくる。なので、僕にも続けられそうな、変わりそうな、予感、がしている。

あと、変わりそう、と言えば、最近、もう少し未知なる出会いから学ぼう、というモードになりつつある。今までは自分の守備範囲に一杯一杯、で、少しでも違う立場の人にやたら批判的だったり、攻撃的だったり、あるいは防御的だったりする部分もあった。でも、その閉塞性の殻に閉じこもっている事がつまらないと感じ始め、新たな出会いに開かれていく自分がいるのを意識する。素直に未知な出会いから学べる喜びを、取り戻しつつある。ある程度の自分のペース、が掴めるまでは、異なるペースに対して頑なになっていたのだが、何となくペースが定まってくると、自分とは違う歩み、方向性、志向の人の話や考え方から、惑わされることはなく、学ぶことが出来るようになってきた。新たな考えに出会って揺れながら、しかし惑うことなく、自分の中に入れて消化・昇華していくモード、がようやく出来つつあるのかもしれない。

で、変わってきたのが、このブログの更新頻度と長さ。こないだもある方から業務連絡のついでに、「するめブログ長めですねー読みきれていなくて悔しいです」と頂く。こういう感想なりコメントなり励ましの言葉を頂けるから、奮発している、という読者の目の意識も勿論ある。だが、それよりも、自分が気づきつつあることを、何とか言分けたい、明らかにしたい、という思いが、自分の中でコンコンとわき出している時期だから、のような気もする。ま、そんな暇があったら論文を書けよ、と叱られそうだが、こうして予行演習しているうちに、そのうち書き出せるのではないか、と妄想している。誇大妄想ではなく、予知夢であればいいのだが。

笹子峠も雪景色だったが、甲府盆地は雪がない。さて、山梨市を超えたので、そろそろアップロードして、電源を落とすとしよう。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。