雑学王からの脱却!?

 

目覚めたらまだ朝5時だった。しかし、外を見るとすっかり明るい。季節は確実に、春を通り過ぎようとしている。

そういえば、近所のクリーニング屋の春物割引セールは今日で終了する。昨日朝、出しに行ってそれを知って、昨日は時間的に余裕があったので、再び家に冬物をごっそり取りに戻った。思えばこの冬も、たくさんの防寒着にお世話になったものである。感謝しながら、来年もまたよろしく、とクリーニング屋に託した。愛宕山を染めていたピンク色の桜模様も、今見たら若葉色に変化しつつある。温度も急激に上昇している。季節の変わり目だ。

昨日はそれだけでなく、オイル交換をしたり、洗車をしたり、大学ではなかなかその気にならなかった報告書作成に向けて文献を読み始めたり、切り替えの時期だった。こういう切り替えの時期って、どうしても朝早く目覚めることもあるが、逆に言えばこれを良いチャンスと思って、パソコンの前に座って、ぼちぼちこのブログも書いてみたり。なんせ、寝ているときも仕事していたようで!?、昨日何気なくネットで捜し物していたことと、今取り組んでいる課題の整合性について考えていたのが、起きる直前の夢というか、考えていた内容だった。まあ、ヘンテコな夢で苦しむよりは遙かにましなのだが・・・。

で、せっかく起きたのだから、昨日大学で探していて見つからなかった、ある大切なデータを自宅のパソコンの中を検索して探しているのだが、見つからない。あれぇ・・・確か以前はあったはずなのだが。もう5年前に作ったデータで、プリントアウトしたものは昨日発見したのだが、肝心の打ち込んだデータがないのだ。そして、5年も経って、このデータが結構大切な価値を持っている(かもしれない)、ということが分かってきて、今あわてている。まあ、A4で5枚ほどなので、最悪の場合、もう一度打ち直せば良いのだが。

でも捜し物をしている時の効用の常で、探しているもの以外の「めっけもの」を発見。そうか、5年前にはこんなことも考えていたり、やっていたりしたのね、と。結構今、使えるものがある。常に近視眼的に「目の前の新しい何か」を追いかけていると、これまでの積み重ねを忘れてセカセカする羽目にどうしてもなりがちだ。でも、ここ何年かで積み上げて来たものを振り返ってみると、存外この「積み重ね」を活用せぬままの自分がいたりする。ちゃんと調べたものを「形にする」まで固執せずに、次の課題、次の課題とスルーしてしまっていたりするのだ。これは大変ソンなことであるばかりでなく、これだから「雑学王」の地位から抜け出せない。

この「雑学王」なる名称は、昨年ある先生としゃべっていた時に、「雑学王からどう抜け出すのか、がタケバタさんの課題だね」と言われた時、あまりにドンピシャだったので、頭にインプリンティングされた言葉だ。そう、色んなことにコミットして、あれこれ知ってはいるのだけれど、それをアウトプットという形で「まとめ」ないままなので、どんどん「雑学王」化しているのだ。研究者は、それを論文なり報告なりに「書いて」、ある種その「雑学」の種から一定のまとまりとして「切り離す」から、次の課題へと進んでいける。僕は、何だか「まとめる=切り離す」作業をしないまま、興味本位でズンズン進んでいるから、どうもまとまりのない、ダラダラした中途半端な興味本位の知識で終わってしまうのだ。そういう意味で、ここしばらくの目標の一つに「雑学王からの脱却」を掲げておこう。さしあたり、4月末にある原稿を書けるか、が一つの勝負。は、はやい〆切だぁ・・・。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。