緑深き6月

土曜の朝、久しぶりに自宅の窓から近所の愛宕山を眺めると、愛宕山の緑は
相当深いものになっていた。そういえば、ここしばらく愛宕山をこんな風に
眺めることはなかったよなぁ、と気づいた。

いろいろな事情があって、3月中旬には甲府に引っ越しをしてきたのだが、4月
までの20日あまりは、本当にエアポケットのように空白の日々だった。研究室
の鍵を正式にまだ貰っておらず、大学がまだ居場所にもなっていなかった
日々。かといって本や書類一式は引っ越し時に研究室に運び込んでしまい、
がらんとした自分の部屋で、毎日ぼやーんと愛宕山を眺めていた。今思うと
本当にエアポケットだったと思う。

それから2ヶ月。気づけば我が家では、家事をしているか、妻とご飯を食べ
ながらおしゃべりしているか、それとも疲れ果てて寝ているか、の三パターン
しかこなしていない現場であった。でも、ようやく平穏を少しずつ取り戻し、
今日は朝から雀のチュンチュンいうのを聞きながら、こうして朝からボンヤリ
できている。こういうメリハリが大事なんだよなぁ、と思う今日このごろだ。

とはいえ、今日は昼から東京で泊まりがけの研究会。あと1時間後には
「あずさ」に乗らねばならない。僕はいつも出かける直前までボンヤリぐずぐず
していて、ぎりぎりになって必死で用意して、奥さんに怒られながら直前に
駅まで送ってもらい、走って電車に飛び乗ることが多い。今日くらいは、あと
1時間しかないのだから、ちょっとまじめにいまから用意して、余裕綽々で
駅で電車を待とうと思う。

なんて、こういう風にギリギリになって「スルメも書かなきゃ」「メールの返信は」
などとやっているから、また遅れそうになるのだ。今日はもうこの辺でおしまい。
さて、荷造りをまじめにしなきゃ。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。