またやっちまった

何をって、このコラムを書き終えて、校正の段階で間違えてデータを消してしまったのです。
あーあ。至福の日曜日の、辛口カレーパンとバジルペーストとワインの見事なハーモニーについてせっかくルンルンと書いていたのに、台無しだ。まあでも根が超オプティミストのタケバタなので、「文章を書き直しなさい、という天の啓示だ」と思い直し、どうせなら全く違うことを書こうと思い立つ。

今日は、前回宣言したように、完全なる休日。仕事のメールや論文は全くせずに、午前中は二度寝もむさぼったのだが、昼からはパソコンを前に、文章を書いていた。ある本をエピローグまで読み終えた時、その著者がその本を書くきっかけとなったあるキーワードが、僕自身へのトリガーともなり、何かを伝えたい、と著者への手紙を書き始めたのだ。こんなことは初めての経験で、ワードで5枚ほど書いてみるのだが、どうもしっくりこない。彼女が取材を通じて感じ、考えたことと、僕が日本や海外での調査でこれまで考え続けて来たことの、類似点と相違点の微妙な絡みについて、絡まった糸をほぐすように少しずつ、文字にして書いていくのだが、書いても書いても、核心にたどり着けないような気がしている。でも、にもかかわらず、何かをこの著者に伝えたい、伝える文章を書きながら、自分の中でつながりかけたある想いを一つの考えとしてまとめたい、と感じている。ラブレターと同じで、想いを一気呵成に書いた文章はどうしても「独りよがり」だろうから、とにかく一晩寝かせて、明日もうちょっと考えてみよう、と思う。まだ整理しきっていないので概要だけここに書こうか、と思ったのだが、これも実際に書いて腑に落ちなかったので、消してしまった。文字通り、消化しきっていないようだ。ちょっとこの話題をすっぱり今晩は忘れ去って、体内で思考が熟成されるのを待ってみよう。

明日からは、後期授業もスタートする。僕自身の授業は明後日からだが、後期全体の戦略を練るために、明日からはフル回転の営業再開だ。しかも、10月以後は研究の成果を次々文字にしていかなければならない。過ごしやすい季節になってきたので、本腰を入れて、教育と研究にじっくり向き合う頃合いとなってきた。さて、今からのんびり風呂にでも浸かって、「あまり休めなかった夏休みの最後」を、じっくり味わおう。

今度こそ、無事にアップロードできますように。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。