豊かな土曜日

今日は久しぶりにのんびり、の土曜日である。

今週から後期の授業が始まり、いろいろ授業関連のゴタゴタまであったもんだから、今週一週間は相当根を詰めていたし、疲れ果てていた。で、昨日の朝から、少しお腹を下し、ちょっと風邪も引きかけていた。昔から季節の変わり目にはよく風邪を引く、見た目とは違い内面は心身共に結構ナイーブなタケバタ。甲府もここ一週間で冷え込み、ついには昨晩、冬用羽毛布団に変えたところだ。今日は衣替えも一部始めたし、夏モードから急に秋モードに変遷しつつある。

そして、「風邪を引いちゃあいけないから」というのを最大の言い訳に、昨日は韮崎まで野菜を買いに出かけた後、午後は最低限の仕事をしに大学へ。月末は決算関係の書類の締め切りなので、どうしても処理をしなければならない。まあ、ついでにあれこれ片づけられなかった残務処理も終え、昨日は早々研究室を後にする。久しぶりに、二度寝を挟んで10時間以上爆睡できた。おかげでお腹の調子も元に戻る。

午後は、先述の通り、衣替えとちょっとばかしお仕事。夏物の服を片づけながら、服装の在庫確認。服はあんまり気にかけていないようでいて、結構な数、持っている事を再確認。これからはあまり無駄に服を買い足すのではなく、一点豪華主義にしたいなぁ、などと夢想する。でも、アルマーニのスーツを買うほどの余裕財産はないのだけれど・・・。寝室のクローゼットがすこしかけすぎできつそうだったので、仕事部屋にスーツをかけるスキマハンガーなるものをホームセンターで買い求める。ついでにフライパンも。某「お値段以上」という宣伝でお馴染みの店でフライパンを3ヶ月前に買うのだが、ハッキリ言ってすぐに焦げ付き、1000円のフライパンでは役に立たないことが判明。今回はテフロン加工の3000円強の代物を購入。早速今晩炒め物に使ってみたが、伝導率が向上したためか、少ない油でもニンニクの炒まり具合が非常に良い。おかげで黒酢あんかけの炒め物は大変美味しかった。

今宵はホームセンターと、酒屋を経由して温泉に出かける。この酒屋では蕎麦焼酎をゲット。以前書いたがふと立ち寄った石和の酒屋で、県内の酒蔵が作る蕎麦焼酎がやけにすっきりとした味で美味しい。僕以上に文句言いのパートナーが満足して、今回は一升瓶を買い求める。あと、その酒屋さんで頂いたブドウが美味しかったことをお店の方に伝えると、「今日もあるから」と、また別品種のブドウを頂いてしまう。なんという幸せ。るんるん気分で、「ほったらかし温泉」へと向かう。地元の人にも有名なこの温泉。ほんとによかった。(例えば以下のHP http://www.navi-city.com/yu/yu2.html

何がよかったって、夜7時頃に出かけたのだが、満点の星空と夜景を眺めながらの露天風呂なのだ。土曜の晩なので駐車場はほぼ満杯なのだが、大変儲かっているようで最近「あっちの湯」と「こっちの湯」という二カ所体制にしたため、たくさんの人が入っていても、ゆっくりつかれる。二年前、スウェーデンに滞在していた折、正月休暇に北極圏のイエリバーレに友人と共に出かけたのだが、あのときの夜景を彷彿とさせる。空気がきれいで、街灯の数が都会ほど多くなく、きらめき方が独特なのだ。ただ、極北で常勤職も決まらない不安定な時期の正月と今とでは、夜景を眺める際の心持ちが随分違うことを、湯に浸かりながら再確認する。あらためてこの二年間の激変ぶりに思いを馳せながら、今の職場への感謝と、これからせねばならない仕事の在庫整理などを、星を眺めながらぼんやりしている。昔から、お風呂に入っている際に様々な整理や踏ん切りをつけてきたタケバタにとって、露天風呂は最適なデフラグの場所。今日も気づけば一時間、ぼんやり様々なフラグメントを解消する作業に当てていた。

こんなすてきな温泉が、ショートカットの無料高速道路(西関東自動車道)を使えば自宅から15分の距離。しかも入浴料はたったの500円! 日の出の30分前から年中無休でオープンなそうなので、朝早く目覚めたら、一度ご来光を拝みに出かけよう、と思う。しかも、運が良ければ富士山も見える、とも。こりゃあ楽しみだ。お風呂で鋭気を養い、自宅でおニューのフライパンで黒酢あんかけを作り、コスパ直送の1000円赤ワイン(プロメッサ・ネグロアマーロ)も上等なお味で、大変豊かな土曜日であった。ありがたや、ありがたや。

投稿者: 竹端 寛

竹端寛(たけばたひろし) 兵庫県立大学環境人間学部准教授。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。 大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。日々のつぶやきは、ツイッターtakebataにて。 コメントもリプライもありませんので、何かあればbataあっとまーくshse.u-hyogo.ac.jpへ。